후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
国枝 史郎의 神州纐纈城(しんしゅうこうけつじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 188,242자 · 380화면
冷い岩が指にさわる。
「どうやら自分は岩に作られた洞穴の中にいるらしい」
ともかくもこれだけは見当がついた。
「どれ、戸口を調べて見よう」庄三郎は立ち上がり両手で岩を探りながら戸口と思われる方角へそろそろと足を運んで行った。間もかく岩へ衝突たったので、手探りで撫で廻わした。押しても見たが動きそうにもしない。
「駄目だ」と云って考え込む。それからまたもそろそろと反対の側へ辿って行った。非常に深い洞穴と見え、行っても行っても涯がない。
「これは洞穴ではないらしい。どうやらこれは道らしい」
こういう考えの浮かんだのは十間余りも行った頃であった。庄三郎は元気づいた。十分足もとへ気を付けながらズンズン先へ歩いて行った。こうしてまたも十間余り。……すると遥かの行手から蒼然たる微光が射して来た。
「有難い。さては野へ出るな」
庄三郎は飛ぶように光の射す方へ走って行った。
次第に光は鮮かになる。
こうしてとうとう庄三郎は、夕暮れの光草に流れる美しい谷間へ出ることが出来た。
余りの嬉しさに庄三郎は物を云うことさえ出来なかった。ただ四辺を見廻わした。
桃源、巫山、蓬莱洲、いわゆる世界の別天地とはこんなものではあるまいか? こう思われるほど四辺の光景は気高く美しい物であった。