후리가나로 읽는 일본 고전
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
野村 胡堂의 胡堂百話(こどうひゃくわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 124,386자 · 248화면
公爵になったのは、この会議から帰ったあとで、出発の時は、まだ侯爵であったけれど、あの有名なお花さんや、専属の料理番として大阪の灘万の主人など、家の子郎党を、ワンサと引き具して、堂々たる大名旅行である。
大正時代というのは、一般に平穏無事であったから、全権の出発などは、夕刊の全面を埋めるビッグ・ニュースである。東京駅を鹿島立ったのが、たしか、翌八年の一月十三日だったと覚えている。私は、谷好文にこの記事を書かせることにした。
谷君は、素晴らしく張り切っていたが、さて、当日は、見事に朝寝坊をしてしまい、東京駅へかけつけた時は、とっくに汽車は出て煙も残っていない。
だが、そんなことで、へこたれるような八五郎でない。すぐに人力車をとばして、東京中の新聞社をかけ回り、出発の光景を目撃した記者から、順々に話をきいて歩き、急いで社へもどってくると、実に豪華けんらんの大文章を書き上げた。これが東京各紙のうち群を抜いた出来ばえで、新聞人の仲間で大評判になった。
しかし、部長である私は、そんな仕掛けは、ちっとも知らない。全く別の方面から、八五郎大手柄の真相をきいたのは、ずっと後になってからである。