후리가나로 읽는 일본 고전
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みちくさ
道草
夏目 漱石의 道草(みちくさ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,812자 · 293화면
六十八
「彦ちゃんがもう少し確乎していてくれると好いんだけれども」
彼女は時々傍のものにこんな述懐を洩らした。彦ちゃんは彼女の予期するような大した働き手でないにせよ、至極穏やかな好人物であった。朝っぱらから酒を飲まなくっちゃいられない人だという噂を耳にした事はあるが、その他の点について深い交渉を有たない健三には、どこが不足なのか能く解らなかった。
「もう少し御金を取ってくれると好いんだけどもね」
無論彦ちゃんは養父母を楽に養えるだけの収入を得ていなかった。しかし比田も姉も彼を育てた時の事を思えば、今更そんな贅沢のいえた義理でもなかった。彼らは彦ちゃんをどこの学校へも入れて遣らなかった。僅ばかりでも彼が月給を取るようになったのは、養父母に取ってむしろ僥倖といわなければならなかった。健三は姉の不平に対して眼に見えるほどの注意を払いかねた。昔し死んだ赤ん坊については、なおの事同情が起らなかった。彼はその生顔を見た事がなかった。その死顔も知らなかった。名前さえ忘れてしまった。
「何とかいいましたね、あの子は」
「作太郎さ。あすこに位牌があるよ」
姉は健三のために茶の間の壁を切り抜いて拵えた小さい仏壇を指し示した。