후리가나로 읽는 일본 고전
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しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
吉川 英治의 新編忠臣蔵(しんぺんちゅうしんぐら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 337,181자 · 676화면
一年に一度の勅使下向。これは、彼の書入れ時だ。こういう機会に、高家が稼いでおかなくて、何を、高家の役得としよう。上野介が口腔いっぱいに、慾望の唾をためて、それに臨んだのは、けだし彼として、当然すぎるほど、当然なことだった。
ひるがえって、内匠頭の心態はといえば。
これは、まったく、対蹠的である。時相を知らないし、人間生活の底流が分っていない。元和以来の武門のしきたりを、真ッ向に信奉して、稀、曠の大命拝受に、いよいよ日頃の武門精神のみがきを、この秋に示すような、逆な考えと、緊張をもった。ひとり内匠頭だけでなく、一般の士が、そうだった。
何ぞ知らん、世の中とは、そう純正なものではない。
下向の勅使たちにしてからが、典礼、権式、おごそかに迎えられても、内実の一個人としては、みな、莫大なる幕府みやげが、何よりの楽しみなのである。随行の諸員も、同じことだ。迎える方の、柳営の全員、またみな式典のおこぼれを、余得、役得として、待つものに極っている――ひとりの高家の吉良ばかりでなく、そうして、浮世は、持ち合い、持たせ合い、朝廷や将軍の名分を飾りあい、ひとつの生活祭典になるのであり、ふところを賑わし合えるものだという常識は、暗黙に、世間一般のものとなっている。