후리가나로 읽는 일본 고전
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
久保田 万太郎의 浅草風土記(あさくさふどき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 162,294자 · 318화면
聞えるのは人のその流れの音だけである。――ときどきただ風のように、満員の、三の輪ゆきの電車だけがおもい出したようにうしろから抜いて行った。――その行く手の線路の、工事のために置かれたところどころのカンテラの火の瞬きが、曇った空、しぐれた月……ありようは、人形町でその円タクに乗るとき、一滴、二滴、冷い雨の粒がわたしたちの顔のうえに落ちていたのである……のほうへ心細くわたしたちの眼をさそった。
「この電車、どこを通るんだ、お酉さまの?」
わたしと同じ浅草の育ちながら、ずっと上方へ行っていたあとの山の手住居で、いつにもこっちのほうへ来たことのないわたしの連れの一人はいった。
「どこって門の前をさ」わたしはこたえた。
「門の前?――と、何か、電車通りになったのか、お酉さま?」
「そうさ」
「戯談だろう、いつからそんな?」
「十年もまえからだ」
「十年も?」
信じられないようにそのわたしの連れはいった。「そうかなァ……」
「そうかなァじゃないさ」
が、そういうわたしにしても、「お酉さまへ行ってもいいけど、田圃に落ッこちないようにおしよ」といわれたのを昨日のようにしかまだ思わないのである。