후리가나로 읽는 일본 고전
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
久保田 万太郎의 浅草風土記(あさくさふどき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 162,294자 · 318화면
意識からすくわれた。
と同時にわたしたちは人波にもまれ出した。いままでのように安閑とあるいてはいられなくなった。奴、万盛庵、梅園、来々軒、一仙亭、透きなく並んだ両側の提燈の記名は間もなくそう「活動写真」から「飲食店」に移って行った。実だの、小楽燕だの、清吉だの、浪花ぶし語りの芸名が時を得顔にそのなかに立交っていた。――と、急に、神楽堂の近くまですすんだとき、どッと前方から逆にわたしたちは後ろへ押返された。――危くわたしたちはふみ留った。
「押しちゃァいけない、押しちゃァ……」
みおつくしのように立った巡査たちは声を嗄らしていった。赤い筋の入った提燈がどこにもふり廻された。
「女はこっちへ来い、此方へ。――危いから此方へ来い」
混乱――
連れの名を呼交わす声。
賽銭を投げる音。
子供の泣く声。
わたしはそのまま神楽堂の下を左へ切れた。わずかにその渦中から抜出すことの出来たわたしたちの行く手に立ちふさがった熊手店。――五彩映ゆい熊手店。――狭い道を圧してずらりと両側に立並んだその店々の小屋がけの光景こそむかしに変らない光景である。むかしながらの可懐しい光景である。