후리가나로 읽는 일본 고전
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면
裁判のことも奮発すれば無罪になろうが、ちぢこまっていてはまた有罪かもしれない」
時にはそんなふうに、諭したり、励ましたり、言葉を尽して説得しなければならなかった。
被告人のうちでも永島与八はやや事情がちがっていた。永島はこの三月保釈ででるとすぐ、前橋教会で堀牧師から洗礼を受けた。思いがけなく、裁判長の磯野判事も同席で受洗した。彼は自分の手紙が毎日磯野判事の検閲を受けたことを思い合わせて、その奇縁も神の摂理であろうと考えざるを得なかった。信仰によって永島の心には焦躁にかわって寛恕が宿り周囲を眺める目がちがってきた。自分の知らぬこの一カ年の間に、鉱毒事件に対する世間の認識も入獄前に比較して意外に改ったようにかんじられた。当局はまだなんの処置もとってくれないが、社会が覚醒してきた以上、自分たちも従来の運動方針を転換させる時機ではなかろうか。いつまでも大挙上京をくり返していては、妄動の誹をまぬがれぬのではないか。彼はひそかにそんなふうに苦慮していた。
正造は帰京するとすぐ、風邪を引いて赤坂表町の内山方で横臥し、そのまま一週間寝込んでしまった。そのために脳の鬱気はかえってやや小康を得た。