후리가나로 읽는 일본 고전
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면
古河はようやく策を変えて鉱毒地の買収を試みだしている。
正造は帰京すると、衆議院に辞表をだして、長年の政治生活に決然と袂別を告げた。正造にすればさきに三月二十四日の衆議院の壇上で約束したことを果したまでで、かねて心に秘めていた予定の行動であった。ただ、ようやくその機会をとらえ得たというにすぎなかった。
その日、議員生活に終りを告げて衆議院の門をでた正造は、俥夫が心得顔に芝口の方へ帰途をとろうとするのを叱って反対の方角へと走らせた。老松が石垣のうえから深々と枝を垂らしている濠端までくると、俥を停めさせ、訝しげな顔をする俥夫にはかまわず、砂利を踏んで宮城の広場のなかへと足を運んだ。しかし深くは踏みこまず、遙かに秋雲の漂う大内山の森影を眺めてたたずみ、動かなくなった。やがてうやうやしく深々と頭を下げた。
しばらくして再び俥上の人となった正造の様子には、なにか踏むべき道を踏んできたというほどの落着きが宿っていた。晩秋の底冷たい光線のせいばかりでなく、その目も清澄のいろを湛えていた。
俥は人通りのすくない愛宕下の通りを芝口へむけて走った。正造は俥の上でがっしりと腕組みしつつ、みずから二十三年の第一回総選挙以来のことを思い浮べていた。