후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
国枝 史郎의 神州纐纈城(しんしゅうこうけつじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 188,242자 · 380화면
その難場の谿底路を甚太郎は先へと辿って行く。行くに従って谿底路は次第次第に爪先上がりとなり、松や楓が密生し熔岩の層は多くなり、随所に行手を遮るのである。
「ああもう歩くのが厭になった」さすがの甚太郎も嘆息して、思わず谿底へ立ち止まったが、いつまで立ってもいられないので勇を鼓して進んで行くと、やがて谿は行き尽くし鬱蒼たる森林へ現われた。すなわち今日の青木原である。
「まず有難い」と云いながら、甚太郎は流れる汗を拭い木の根へ腰を下ろした時、丈なす菅草を踏みしだき近寄って来る人影がある。
「地獄で仏という奴だな。……道でも尋ねることにしよう」
喜んで声を掛けようとしたが、何に驚いたか、「おや」と云うと、楓の木蔭へ身を隠した。
うち重なった葉蔭から、眼ばかり出して覗いていると次第に人影は近付いて来る。近付くままによく見ると、宗匠頭巾に十徳を着、長目の大小を落とし差しにした、茶人かと見れば茶人でもあり武士かと見れば武士でもある三十七八の男であったが、体が悪いのか酒に酔っているのか、踏む足さえ定まらず、古い形容ではあるけれど、あっちへ寄ったりこっちへ寄ったりよろよろとやって来た。