轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

「時事新報」1934(昭和9)年8月25日~1935(昭和10)年3月16日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,520 字 · 475 页

青空文庫

「知らぬ」

と、小次郎は平然として云った。

「どこへ行ってよいか知らぬのじゃ」

「痴者め!」

と、陸奥守は笑い、

「汝の行き場所、汝知らぬのか?」

「姉を尋ねて行くのであるが、どこにおわすか知らぬのよ」

「汝ら何んだ?」

「われらは兄妹じゃよ」

「黙れ!」

と陸奥守は嘲笑った。

「似ても似つかぬ顔を持った、そのような兄妹がどこにあろうか」

「兄妹じゃ、義兄妹じゃ」

「アッハッハッ、そうだろうと思った。今でこそ義兄妹、アッハッハッ」

「さよう、姉上さえお許しならば、われら夫婦になろうもしれぬ」

「また姉上か、そやつ何者じゃ!」

「云わぬよ」

と小次郎は素ッ気なく云った。

ここが関東軍の本営であり、そこへ捕えられた自分達であり、自分達の訪ねて行く姉というのは、宮方に味方する桂子なので、それを明かしたなら自分達の身は、安穏ではあるまいと思われたので、知らぬよと素ッ気なく云ったのであった。

それに桂子に養われていたため、小次郎の心は宮方であった。自然武家方のこの連中には、強い反感を持っていた。で、事ごとに素ッ気ない。ぶっきらぼうの返辞をするのであった。

(どうせ敵方に捕えられたわれらだ。