轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
「時事新報」1934(昭和9)年8月25日~1935(昭和10)年3月16日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,520 字 · 475 页
「狂気したとは武士として不覚な。……それにいたしても狂気のわしを、祈祷で本復させてくれたという、山伏殿こそわれには仏、とどめてご接待いたさぬばならぬ」
戸野兵衛はそう云って、髪を撫でつけ衣裳を着かえ、山伏たちのいる部屋へ行った。
「これはご主人、本復されたそうじゃの」
と、それと見て声をかけたのは、赤松坊こと赤松則祐で、
「正気に返られて何より結構。……今後はあまり気苦労せぬよう」
と、いたわるように云ったのは、村上坊こと彦四郎義光であった。
「おかげをもちまして戸野兵衛、いつまでも生き恥じさらすことなく、真人間に返ること出来ました。何んとお礼を申してよいやら」
と、兵衛はいかにも嬉しそうに云った。
「そのお礼なら、われらにではなくて、先達殿に申すがよかろう」
こう云ったのは光林房であった。
兵衛は云われて恭しく辞儀をし、
「お見受けいたせばまだお若く、少年と申してもよろしいほどでござるに、ご修行の力こそ恐ろしく、ようお治しくだされました。……それにいかにもお顔なりお姿なり、清く尊げに見えますことは……や、空言はさて置いて、これほどの恩こうむりました我が身、ご恩返さねばなりませぬ。