轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

「時事新報」1934(昭和9)年8月25日~1935(昭和10)年3月16日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,520 字 · 475 页

青空文庫

にござりまする」

と、これも訓すようにしみじみと云った。

「は、はい」

と呉服は消えがに答え、面を上げず泣き沈んだ。

「呉服」

と宮家は仰せられた。

「これまでそちに暇あるごとに、修験の大綱を話して聞かせたのう。……さてそこで今度逢うまでに『三種成仏』の三種の区別を、よくよく考え弁えて置いて、お前からわしに話しておくれ」

袖を払って御足を運ばれた。

「三種成仏? おおあれは?」

呉服はうっとりと考え込んだ。

「即身成仏、即身即仏、即身即身、これだった筈じゃ」

――が気がついて四辺を見た。

と、宮様のご一行は、遥かかなたを歩いておられた。

「あっ」

と呉服は仰天し、飛び起きて後を追おうとした。

後方にいた蓬生が抱き止めた。

「未練な! 呉服様! ……でも可哀そうに……」

「お姉様!」

と呉服は咽び、ひしと蓬生を抱きしめた。

「宮様が、宮様が、わたしを見すてて」

「いいえ宮様はあなたお一人だけの、御方様ではござりませぬ! この日本のみんなの御方様!」

「おおそうしてわたしには」

と呉服はハタと合掌した。

「神様でござります! 仏様でござります!」

同じこの夜のことであった、紀州熊野中辺地街道の、野長瀬の郷を七人の男女が、不思議な振る舞いをして通っていた。