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ふしぎくにたんけん

ふしぎ国探検

海野 十三

「ラジオ仲よしクラブ」1947(昭和22)年9月号~1948(昭和23)年7月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,118 字 · 120 页

青空文庫

夏休の宿題

夏休の宿題

やけ野原を、東助とヒトミが、汗をたらしながら、さまよっていた。夏のおわりに近い日の午後のことで、台風ぎみの曇り空に、雲の行き足がだんだん早くなっていく。

東助少年は手に捕虫網をもち、肩からバンドで、毒ビンと虫入れ鞄とを下げていた。ヒトミの方は、植物採集用のどうらんを肩から紐でつっていた。この二人の少年少女は同級生であるが、夏休みの宿題になっている標本がまだそろわないので、今日はそれをとりにきたわけだった。

東助の方は、今日はどうしても、しおからとんぼか、おにやんまを、それからどんな種類でもいいから、あげはのちょうを捕る決心だった。ヒトミの方は、ぜひ、かや草と野菊とをさがしあてたいとおもっていた。

だが、二人のもとめているものは、いじわるく、なかなか手にはいらなかった。

「だめだわ、東助さん。こんなにさがしてもめっからないんだから、もうあきらめて帰ろうかしら」

と、ヒトミががっかりした調子でいった。

「いや、だめ、だめ。もっとがんばって、さがしだすんだよ。これだけ草がはえているんだから、きっとどこかにあるよ」

「そうかしら。だって東助さんも、まだとんぼがつかまらないんでしょう」