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ふしぎくにたんけん
ふしぎ国探検
海野 十三
「ラジオ仲よしクラブ」1947(昭和22)年9月号~1948(昭和23)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,118 字 · 120 页
見えない人
「幽霊屋敷……」
「目に見えない幽霊がいるんですね。何者の幽霊ですか」
見えない人
「さわいでは、いけないね。この家のご主人に対して失礼だから」
と、博士は冷やかに二人にいった。
そのときまたもや例のふきげんな咳ばらいの声がそばで聞え、それからたしかに人間がたっているにちがいない足音が、とんとんとんと廊下を奥へ伝わっていった。が、それは足音だけのことでやっぱり姿はなかった。
「ドクター・ケンプは、いつもぶっきら棒にものをいう。しかし心はいい人なんだから、君たちは恐れずに、何でも質問したまえ」
博士が二人の子供に注意をあたえた。
「あ、思い出したぞ」と東助がこのとき叫んだ。
「ドクター・ケンプは透明人間なんでしょう。ねえポーデル先生」
「ドクター・ケンプといえば、透明人間にきまっているさ」
と博士は分り切ったことを聞く奴だといわんばかりの顔をした。
「いったい彼は、どんな学問を使って、からだを見えなくすることに成功したか、それが大事なことなんだから、ぜひたずねてみたまえ」
廊下の奥の左側の扉が、ひとりでに内側へ開いた。もう二人は、前ほどおどろかなかった。そのかわり、早くケンプの前へ立って、ほんとうにドクターのからだが透明で、何も見えないのかどうかをたしかめたくなった。