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ふしぎくにたんけん
ふしぎ国探検
海野 十三
「ラジオ仲よしクラブ」1947(昭和22)年9月号~1948(昭和23)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,118 字 · 120 页
ポーデル博士の松永さん
「見えましょう。大都会が、今こわれていくところです。市民たちは、ずんずん地面から離れていくでしょう」
「なぜ人間や建物なんかが、あのように、どんどんとんでいくのですか。はげしすぎるではありませんか」
「はげしすぎることはありません。そのわけはこうです。地球は一秒間に三十キロメートルの速さで、空間を走っているのです。重力があれば、建物も人間も、地球の表面にすいつけたまま、このすごい速さで公転していくのですが、重力がなくなると、あのとおり、建物も人間も、あとへ取残されてしまいます。そして人間もけだものも植物も、みんな死んだり枯れたりしてしまいます」
「それはたいへんですね。重力がなくなることを願ってはいけませんね」
「ははは。ほんとうは重力はなくなる心配はありません。しかしやがて、人間が発明するであろうところの重力を減らす装置を、うんと使いすぎると、あのような大椿事がもちあがるでしょう。そのことはあらかじめ、十分注意しておかねばなりません」
博士は、しんみりと警告をあたえた。
ポーデル博士の松永さん
その日、東助とヒトミが、ポーデル博士の飛ぶ樽の中へはいってみると、博士は、はだかになって着がえの最中だった。