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ふしぎくにたんけん
ふしぎ国探検
海野 十三
「ラジオ仲よしクラブ」1947(昭和22)年9月号~1948(昭和23)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,118 字 · 120 页
人間はおき去り
「おや、ウェイトレスのヒトミさんやコック長がこんなところで、まごまごしているよ。パイ缶を一つとミルクセーキ一ぱい、早いところ頼むぜ」
と、食堂の空中を泳ぎながら、みんな註文をだす。
「はいはい。只今。しかし熱い料理や飲料は今、できませんよ。わしもみなさんも大火傷しますからね。とにかく困ったものだ。早く人工重力装置の故障が直ってくれないことには、仕事がさっぱりできません。はい只今」
そういいながら、髭のコック長は、蛙のような恰好で料理場へとびこんでいった。
とたんに、停電のように急にあたりが暗くなった。
人間はおき去り
「どうです。重力のない世界はおもしろかったですか」
いつの間にかポーデル博士が、操縦席からうしろをふりかえって、東助とヒトミに呼びかけた。
「ああ、コック長だ。博士はコック長に変装していたんですね」
「ははは。見つけられましたね」
「髭だらけのコック長なんて、見たことがありませんわ」
「ははは、髭はとった方がよかったですね。さて君たちにたずねます。今訪問した世界は、宇宙艇の中の出来事でありました。ところが、もし、ああいうことが、地球の上で起ったとしたら、どんな現象が起るでしょうか」