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ふしぎくにたんけん
ふしぎ国探検
海野 十三
「ラジオ仲よしクラブ」1947(昭和22)年9月号~1948(昭和23)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,118 字 · 120 页
蠅のテレビジョン劇
二人の前に見えるのは、ビーカーから高くたちのぼっている湯気ばかりだった。
蠅のテレビジョン劇
ふしぎなポーデル博士の、ふしぎな国々への案内はつづく。
東助とヒトミは、ポーデル博士の操縦する樽ロケット艇にのって、ふしぎな旅をつづける。
「博士。こんどはどんなふしぎな国へつれていって下さるんですか」
東助が、顔をかがやかして、きいた。
「こんどは、なかなか深刻なところへ案内いたします」
「深刻なところって、どんなところですの」
ヒトミも座席から、からだをのりだす。
「蠅の社会へ案内いたします」
「あら、蠅の社会が深刻なんですか」
「蠅の考えていること、人類にとってはなかなか深刻あります。これから私案内するところは、蠅が作り、そして蠅が演ずるテレビジョン劇であります。それをごらんにいれます」
「まあ、すてき。蠅でも劇をするんですの。しかもテレビジョン劇なんて、あたらしいものを」
「人類は、人類のこととなるとわりあいによく知っていますが、その他のこと、たとえば馬のこと、犬のこと、兎のこと、毛虫のこと、蠅のことなどについては、あまりに知りません。それ、よくありません。蠅が何を考えているか、それらのこと、よく知っておく、はなはだよろしいです」