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ふしぎくにたんけん

ふしぎ国探検

海野 十三

「ラジオ仲よしクラブ」1947(昭和22)年9月号~1948(昭和23)年7月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,118 字 · 120 页

青空文庫

そのふしぎな国へ下りていきます。ちょっと目まいがするかもしれましぇん。すこしですから、がまんする、よろしいです」

博士のことばが切れると同時にとこからともなく、へんな音響がきこえはじめた。それは奇妙な音色をあげつつ、かわっていった。と、二人は俄に胸さきがわるくなって、はきそうになった。

が、間もなくそれは消えた。いやな音も消えた。震動もなくなった。博士がのっそりと操縦席から立上った。

「いよいよ、あの国へきました。これから下りていくのですが、その前に、私たちは特別の注射をいたします。この注射をしていかないと、おもしろいもの見られましぇん。腕をおだし下さい」

博士の手に、いつの間にか注射針がにぎられていた。

もうここまできては、博士のいうことをきくしかないので、東助もヒトミに目くばせして、注射をしてもらった。それはべつに痛くもかゆくもない注射だった。気分も大してかわらなかった。ただなんとなく気がのびのびして前よりは、いい気持だった。

「それでは、こっちからでましょう」

博士は先へ立って、戸を開いた。

直径二メートルほどの大きな円形の戸口があいていた。外はくらくてみえない。