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ふしぎくにたんけん

ふしぎ国探検

海野 十三

「ラジオ仲よしクラブ」1947(昭和22)年9月号~1948(昭和23)年7月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,118 字 · 120 页

青空文庫

ことばは分らないが、ゆがんだ声が、家の中から聞えた。と、中でかけ金が外れる音がしてから入口の扉がすうーっと内側へあいた。

「この前、君にお話しておいたとおり、この二人が君にぜひあいたいというお客さんじゃ」

と博士は、家の中の人に、東助とヒトミを紹介した。二人は、あわてて家の中へおじぎをした。しかし家の中の人の姿は見えなかった。

「みんな入りたまえ。早く!」

ごつごつした声が、家の中からとびだした。

「お許しがでた。さあ入りたまえ、君たち」

博士にうながされて東助とヒトミは、家の中へとびこんだ。――だが奇妙なことに、玄関を入った廊下には、誰もいなかった。

「ポーデル先生。あのドクターは、どこにいらっしゃるんですの」

ヒトミが、そういってたずねたとき、きげんのわるい咳ばらいの声が、二人の子供のうしろに聞えた。二人はびっくりして、うしろをふりかえったが、しかしそこにはやっぱり誰もいなかった。

そのかわりに――というと、ちょっとおかしいが、玄関の扉がひとりでに動きだして、ばたんとしまった。そしてかけ金が、ひとりでに動きだして、がちゃりと音をたてて懸った。

ヒトミはもちろん東助も、頭から冷水をぶっかけられたように、ぞおーッとして、左右からポーデル博士にすがりついた。