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ふしぎくにたんけん
ふしぎ国探検
海野 十三
「ラジオ仲よしクラブ」1947(昭和22)年9月号~1948(昭和23)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,118 字 · 120 页
下へと上へと両方へ、同じ力でひっぱられると、さてどんなことになると思いますか」
ポーデル博士は、にやにやと笑いながら、東助とヒトミを見くらべた。
「それじゃあ、同じ力でひっぱりっこだから、結局力が働いていないのと同じですね。二つの力を加えると、零ですものね」
東助が、こたえた。
「そのとおり。つまり、そのところでは、両方の重力が釣合って重力がないのと同じことになります。さあ、そういう重力のないところでは、どんなことが起るか」
「どんなことが起るでしょうね」
「物は、重さというものがなくなったように見えるでしょう。重さがなくなると、どんなことになりますか」
「大きな岩でも鉄の金庫でも、指一本でもちあげられるでしょうね」
と、東助がいった。
「そうです。もっと外のことも考えられますか」
「ああ、そうだわ。鉄でこしらえてある金庫に腰をかけて、お尻にうんと力をいれると、その金庫がまるで紙製の箱のようにめりめりといって、こわれてしまうでしょう」
「いや、ヒトミさん。それはちがいます。重力がなくなっても、そんなことにはなりません。なぜといって、重力がなくなっても、鉄の強さとか紙のやわらかさとかには変りはないのです。