轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

けんのよんくんし

剣の四君子・日本名婦伝

吉川 英治

吉川英治『剣の四君子・日本名婦伝』。同一底本的分册已合并为一书。收入:剣の四君子、剣の四君子、剣の四君子、剣の四君子、日本名婦伝、日本名婦伝、日本名婦伝、日本名婦伝、日本名婦伝、日本名婦伝。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 150,635 字 · 306 页

青空文庫

長政もその一人だった。父の如水と石舟斎とは茶禅の相識であった関係から、もっとも早く入門して、在京中は月に幾度となく騎馬でこの山荘まで通って来て、技を磨き、道をたずね、心法の鍛錬をうけていた。

「いや実は、老先生を世の中へ引出す大役を帯びて、徳川殿にも、必ずお連れして参ると、堅い約束をして罷り越したわけです。――老先生、長政がお供仕ります。枉げても、一度お会い下さい」

「誰とな?」

「徳川殿と」

「家康公へお目にかかって、どういうはなしをせいと仰せか」

「いえ、ただ一度会いたいと御意されておるだけのことです」

「天下多事の際、徳川殿ともあろう忙しいお方が」

「何の、多事なればこそです。――世は挙げて、老先生のような人材を求めている秋なのです」

「石の舟は石の舟、不器用が生れ性だ。沈んだが最期浮び出る気もない。――石舟斎には左様な御推挙無用でござる」

「強いて御推挙するつもりでもありませんでしたが、自然、武芸のはなしとなれば、老先生のおうわさに及び、長政のみならず、大徳寺の和尚も、その他の人々も、天下の剣道の名人といえば、上泉伊勢守亡きのちは、柳生の老龍以外にはないと――これは、吾々が推挙までもなく、世の名声というもので、徳川殿にも夙に聞かれておいでなされます」