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だいうちゅうえんせいたい
大宇宙遠征隊
海野 十三
「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页
十五年の行程
いや、もっとはっきりいうと、全部で、百七十の噴行艇の乗組員は、ことごとく日本人でしめられていたのである。
この噴行艇群は、一体どこへ向けてとんでいるのであろうか。また何の目的で、このような大宇宙へとびだしたのであろうか。総員四万余名もの日本人が、なぜ一かたまりになって、とんでいるのであろうか。読者諸君はふしぎに思われるであろうが、全くのところ、今から五十年前の人間には、想像がつかないのも無理ではない。
では、作者は、噴行艇アシビキ号の中にのりくんでいる一人の少年風間三郎の身のまわりから描写の筆をおこすことにしよう。
十五年の行程
「おい、三郎。いつまで、ねているんだい。もういいかげんに、目をさましたらどうだい」
その声は、ひびの入った竹ぼらをふくと出てくる音に似ていた。そこで三郎は、ようやく釣床の中で、眼をさましたのだった。すこぶるやかまし屋の艇夫長松下梅造の声だと分ったから目をさまさないわけにいかなかった。ぐずぐずしていれば、足をもって、逆さまに釣り下げられ、裸にされてしまうおそれがあった。そんな眼にあっては、また大ぜいのものわらいである。
「はい。