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だいうちゅうえんせいたい

大宇宙遠征隊

海野 十三

「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页

青空文庫

火星の食べ物

さすがの火星人も、この大計画にはびっくりしたらしかった。

「しかし残念ながら、我がアシビキ号は故障のため一行に遅れてしまったのだ」

「そうですか、それはお気の毒です。幸い私たちの中には機械修理にかけては火星でも有数の者をつれて来ておりますから早速お手伝いをさせましょう」

「そうか、そうしてくれると有難いね、うまく修理が出来たら、ついでに火星に寄って、君たちを送りとどけてあげることも出来る」

「そうですか、そうして頂ければ助かります」

火星人の首領は大喜びをすると、すぐ部下の火星人を呼んで、何か火星語で命令を伝えた。

火星の食べ物

「さあ、では君もつかれたろう。今、何かうまいものでも作らせるから――」

辻中佐がいうと、火星人は、

「いや駄目です」

「駄目とはなんだ、折角親切にいって下さるのに」

幕僚が、眼をむいた。

「いや、そういうわけではありません、われわれ火星人は物を食べる、ということを忘れてしまったのです」

「ナニ、何だって?」

「われわれ火星人も祖先の時代にはやはり物を食べたのです。しかし、物を食べるのは口で噛んだり、胃や腸を使ったりして、滋養分を血の中に吸収させ、その血が身体中を廻って持っている養分を身体に補給することでしょう。