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だいうちゅうえんせいたい
大宇宙遠征隊
海野 十三
「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页
コーヒーと戦う
すこぶるのんびりした朝の風景だった。
コーヒーと戦う
風間三郎は、箱の中から、ぺちゃんこになっているゴム風船の一つを引っぱりだした。
それは、半分が赤で、他の半分が紺で染めてあった。
三郎は、それを口にくわえて、ぶーっと息を入れはじめた。
ゴム風船は、すぐ大きくなった。鶏の卵大の大きさから、家鴨の卵大の大きさとなり、それからぐんぐんふくらんで、駝鳥の卵大の大きさとなり、それからまだまだふくれて、さあ飛行機の卵大の大きさとなっていった。
飛行機の卵? て、そんなものがありますか。ああ、間違いました。飛行機の腹にぶらさがっている五十キロの爆弾のことをいおうと思ったのです。
とにかく、三郎のふくらませる風船は、三郎の顔よりも大きくなり、よく出来た西瓜ぐらいの大きさとなった。
そこで三郎は、ゴム風船の口をきつく結んで、手のうえで、ぽーんとついてみた。まん丸い見事な風船は、ふわーっと上へとびあがって、天井についたが、こんどは上からおちてきた。
ぽーん、ぽーん、ぽーん。
風間三郎は、いい気になって、風船をついていた。大宇宙をとんでいることも何も、すっかりわすれてしまったようであった。