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だいうちゅうえんせいたい
大宇宙遠征隊
海野 十三
「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页
大団円
辻中佐は、はじめて愉快そうに笑った。
大団円
さて、アシビキ号は間もなく火星に安着すると、そこであのふしぎな皿のような火星の乗物に連れて来られていた第四斥候隊の隊長鳥原彦吉以下全員と、風間三郎、木曾九万一の両少年を収容し、月世界に取りのこされた火星人を降した。風間、木曾二少年の喜びも大きかったけれど、荒れ果てた月世界に、も少しで取りのこされるところを無事に帰れた火星人たちの喜びも非常なものだった。
全火星人も、このアシビキ号の好意を謝して、大変な歓迎をする様子だったけれど、先をいそいでいるアシビキ号は、あの月世界探険隊長の火星人と再会を約し、すぐさま、本隊を追って出発することになった。
「出発!」
辻艇長の命令一下、噴行艇アシビキ号は、休む暇もなかった火星に別れをつげた。そして大宇宙の中を真一文字に、本隊を追って猛進また猛進を続けつつあった。
かくして大宇宙の中を突きすすむこと実に五ヶ年!
目的のムーア彗星に到着する間際になって、アシビキ号は、漸く本隊と合体することが出来た。この五ヶ年という長い間、ただ一機で大宇宙を突破して本隊に追いついた、ということは、司令艇クロガネ号にある大竹中将の指揮と、アシビキ号の辻中佐との一糸乱れぬぴったりと呼吸の合った賜物だった。