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だいうちゅうえんせいたい
大宇宙遠征隊
海野 十三
「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页
その間に、明るいひろびろとした原が見えていた。山脈の多くは、環のようにつらなって、まん中が低くおちこんでいた。まるで爆弾をおとしたあとのように見えた。
光る陸地は、帯のように、左右へ長々とのびてつづいていた。ちょっと見ると、月の世界は光の帯のように見えるのであった。月は丸いものと思っていたのに、これはふしぎな見え方をするものである。
しかし、よく気をつけてみると、噴行艇のま下にある黒いところは、やはり月の陸地であった。空も黒いけれど、そこには、たくさんの星が、きらきらとうつくしくかがやいていた。しかるに、噴行艇のま下は、黒いだけで、星は見えなかった。星は見えない黒い塊こそ、月の陸地であった。
まぶしい光の帯に見えるところには、太陽の光があたっているのであった。太陽のあたらないところは、墨でぬりつぶしたように、真黒であった。これが地球であると、昼と夜との境の陸地はうすぼんやりとあかるく見えるのであるが、それは空気があるため、太陽の光がちらばって、うすぼんやりあかるく見えるのであった。しかし月には空気がない。だから、太陽のあたるところはあかるく、あたらぬところはまっくらで、その境目は、たいへんはっきりしている。