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だいうちゅうえんせいたい

大宇宙遠征隊

海野 十三

「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页

青空文庫

「いや、あまり不吉な言葉をはいては申わけないと思い、ためらっているのですが……ひょっとすると、第四斥候隊は火星人の猛撃をうけて、どうかなったのではありますまいか」

「おお、そうか。火星人の猛撃をくらって、どうかしたのではないかというのか。ふうむ」

辻中佐は、腕組みをして、頭を左右にふった。

「わしは、そうも思わないが、なにしろ何もいってこないし、こっちから呼び出してもへんじをしないのだから、こいつは困ったものだ。もうすこしまってみよう」

辻中佐は、机上にひろげた月世界の地図へ再び目をおとした。しばらくたって、中佐の背後に、壁に向けてすえつけてある無電配電盤の前で、受話器を頭にかけて、しきりに連絡をとっていた無電員の一人が、とつぜん大きなこえをあげた。

そのこえが、あまりに大きかったので、艇長も幕僚も思わずその方をふりかえった。するとその無電員は一枚の受信紙をつかんで、幕僚の方へふりながら、

「たいへんです。第五斥候隊からの救難信号です。そして、その信号の途中で、無電が、はたと切れてしまいました。この電文をごらんください」

と、無電員は、はあはあ息を切らしている。