轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
こやつは、いつの場合も、必ず何かに包まれておる。そして、包まれたままで、色々な業をやりおる。実にえたいの知れん、薄気味の悪い化物ではありませんか。だが、この曲者は、何故何時も極った様に、何かに包まれておるのか。無論正体を見られまい為じゃ。併し、こういう場合に、犯罪者というものは、顔にメーク・アップを施すとか、覆面をするとか、衣裳を替えるとかして、変装をするのが普通になっておる。何も窮屈な箱の中なぞへ入る必要はないのじゃ。それがこの犯人に限って、必ず全身を何かの中へ隠しているというのは、何ぜであるか。
こんな風に考えて来ると、それに対する答えはたった一つしかない事に気づきますのじゃ。外でもない、この曲者は、顔面を隠しただけではその目的を達し得ない様な奴なのです。つまり、全身の形に普通の人間と違った著しい特徴を持っておる。その姿を見た丈けで、何奴かと直ちに分る様な人間なのじゃ。つまり不具者なのじゃ。
さて、そういう小っぽけな不具者と云えば、忽ち聯想されるのは、例の豆蔵じゃ。所謂一寸法師じゃ。よいかな。そこで、一寸法師というものは、普通どんな所におる。