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にっき

日記

宮本 百合子

13 一九二七年(昭和二年)

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 40,068 字 · 81 页

青空文庫

十二月二十五日

○このようなクリスマスしようとは思いがけず。面白かった。

米川さん、メーエルホリドへ行きがけに、イズボーシチク〔辻馬車〕、タクシと衝突した。馬も怪我せず。

〔欄外に〕

クリスマスイーブ

粉雪降る。いかにもクリスマスイーブらしい夜であった。

十二月二十五日(日曜)

クリスマスデー。

米川さんカーメルヌイを見にゆき、自分達そこまで迎えに行って一緒にピリニアークの家へゆく。

郊外の、板の塀をとり廻した家。その板塀日本で云えば丁度、建築場の板囲いのように趣なく、荒れた感じ、特に夜、雪が囲りに高くあって、凄かった。ロシア人にとって、それが平気なところ面白し。

○ピリニアークの家、窓のカーテンにまでも、厚いカーペットをつり下げてあるところ、彼の生活力と、腕力を示して特徴あり。

○大きないいイワンナーという犬が居る。黒いキューピーを見せたら驚いて逃げてしまった。

○十七世紀の盃、オッカ、鵝鳥、ハム。

○こっちの部屋で、プレフェレンスをして、三十五カペイカかった。

○細君の弟、植昆虫学者、おとなしい男、隣の部屋で、詩を誦して居た。

Водка〔ウォツカ〕をのんだ。