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にっき

日記

宮本 百合子

13 一九二七年(昭和二年)

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 40,068 字 · 81 页

青空文庫

四月五日

四月七日

四月八日

四月九日

四月十日

元気がなくなったらあれを思え。

四月五日(火曜)

秀雄さん夜まで居る。

四月七日(木曜)

サダとまりで家へ行く。

四月八日(金曜)

『改造』に随筆「わが五月」とどける。

山本君腎臓か肝臓がはれたと云ってしょげて見えた。一円本一揃えくれるよし。

八十銭サイフにあるだけ。Y、あっちこっちから、シネマパレスでオセロを見に行ったので、自分会うつもりで出たがカン違いしてシネマギンザをたずねもとよりなし。

もうつかれ、いや故そのままかえる。淋しかった。

宮原氏来、「アルネ」をかす。

四月九日(土曜)

宍戸君来、丁度Yやっと翻訳出来かけのところ故、つれて並木の花見をする。連翹の花の垣(三井の前の美しい新緑がそうだ)、桃の花の白と紅、雪柳の白い花、蕾の八重桜――北風にふかれるところにある故幹がっちり枝こんで立派だ。

土筆、よもぎをつむ。

宍戸蛇を見つけ踏む。

「おやめなさいよ、□□出て来てつぶされてはたまらないわ」

「本当に、蛇は半年土の中にねて居るんだから大変ですね。」

夜スキヤキで御馳走ス。

四月十日(日曜)

今日は花見ナリ、おこわを云いつけ、芝生にゴザ、その上にモーセンをしいてYと二人、パラソルをさして日光をよけつつ、おこわをたべ、独歩集をよむ。