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にっき

日記

宮本 百合子

13 一九二七年(昭和二年)

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 40,068 字 · 81 页

青空文庫

八月十八日

八月十九日

社会をすすめるのはこの精神力の強さなり。

〔欄外に〕

十七日、モヤー九時に立って秀雄の居る苦楽園へよって、それから京都へゆく由。

自分の心持今日になってもまだなおらず。苦し。昨夜Yに話した。この苦しさの圧力、危険性Yに分らないから、Y、いきなり今夜立つというのだろう。

八月十八日(木曜)

昨夜、Y京都へ立たず。立たないでよかった。このまま立たれたら、自分変になるにきまって居たから。

今夜立つ。先に三越へ出かけ、髪をさせる、銀行へよってゆくと云ってYだけ出かく。銀行時間なくて駄目。フーちゃん、自分あとより出かけ猶一時間余待つ。三人でオーキ。新橋の上の東洋軒で食事。Y、八時四十分の汽車で立つ。水浅黄の服で、オカッパの頭で、車窓から片手を出し、いつまでも扇でバイバイをして居る姿、小さく、ミーラヤ〔かわいい〕に見えた。かえり道玄坂で水瓜をたべた。変な文学青年沢山居て、いやであった。夜、スタンドで、自分の上にある蚊帳の白さ、となりの部屋の誰も居ぬ感じ強く味う。少し神経的な位その感じ新鮮であった。

八月十九日(金曜)

○野上さんへ手紙をかく。春江のことを思うし、関さんのことを思うから。