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にっき
日記
宮本 百合子
13 一九二七年(昭和二年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 40,068 字 · 81 页
四月十六日
四月十七日
四月二十日
日々新たなもの、この過ぎゆく人生の柱となるものにふれたい、その心持なり。一人のひとを愛し、その人から新たな愛――恋を味いたい自分。
○この頃自分ハンモンなり。何か内心の動揺を感じてこわい。Yは自分もロシアへつれてゆく気なれど――何か――のところ自分の心にあり。
○人世が、三十位になると分ったようになる。箇々の現象や人間大抵の心持が。それで人生が分ったと腰をおろして凡人に皆なるなり。
四月十六日(土曜)風強し
苅田さん来、Yに、鈴ランの花、撫子の包「一寸水につけさせて置いて下さい」というの、「有難う」と云ってしまい、苅田さん早稲田へ入れた、自分でも本気に出来ず変にして居る。
『読売』の懸賞に出すのという短篇、鼠、柿、人間、よませてくれる。よかった。いかにも彼女らしい。目立つ作品ではないが、よい。彼女の容貌の通り、一寸見ると色彩うすいようだが、沁々見ると美あり。若々しい、教師などして居る女の感情あらわれて居る。
四月十七日(日曜)
久しぶりに山内さんに行こうとて、筍を掘って出かけた。留守。野上さんにより十一時頃田端よりかえる。
四月二十日(水曜)
田中内閣になる。