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にっき

日記

宮本 百合子

13 一九二七年(昭和二年)

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 40,068 字 · 81 页

青空文庫

八月十三日

八月十四日

ラジオをかけると云うので、市次郎、シマまで杉の木を買いに出かけた。

○m、ヒスになって居る。仏壇の部屋の籐椅子に額を押え。Ph! と思ったがフト自分のヒスを思い出し、やさしく言葉をかけ、世話をやいたら、すっかりなおって晴々した。よかった。「そういうとき皆が知らん顔しているといやでしょう?」「そりゃそうさね」

m、私は私の他に大切なものなんか持たせないよ。FがFでよかったわけ、又FがFになり抜いたわけ。

八月十三日(土曜)

帰京、Y上野へ出て居てくれた。

「夜」マルセル・マルチネをよむ、途中で。民衆の無知、雷同性、真実の覚醒の未だ遠きこと、政府の術策等巧にかかれて居るし、詩でかかれて居る調子もよい。マルチネ仏国人である――昔から革命を屡繰返したフランス人が民衆の夜を理解して居る点――興味がある。フランスが、ビルドラックのような、ミシェルのような人生観をもつ作家、バルビュス、このマルチネのような作家など戦後に持つところ又、文明史の一頁として興味がある。

八月十四日(日曜)

○林町父上へ手紙中へ

母に代りて歌へる

○わが背子はいかになしけん徒然のままにボロ株買はんと思ふか