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にっき
日記
宮本 百合子
13 一九二七年(昭和二年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 40,068 字 · 81 页
六月二十七日
六月二十八日
六月二十九日
細雨、今日から明治神宮の菖蒲公開の由、見に出かけようとて四時頃より三人で出かけた、行ったらもう時間がおそくて入れず。そのままかえるのはいや故、ツウリングで日比谷へゆき、暫く遊ぶ。我々の家に水がない故、時々流れる水、ひろい水面を見たくなるなり。それから又円たくを見つけて浅草にゆき、春秋座というので夕食をすまし、阪妻の立ち見をした。が、なにしろあつし。息が苦しくなったので、ふみ子を誘って外に出る。「折角面白いとこやったのに」ああいう映画筋だけなり。人間の美も、自然の美も尠し。然し筋にひかれて見るだけは見せられるものらし。
かえると、先、変な性交描写を送ってよこした男だろう、又変なものを送って来た。よまず、Yにわたす、そしたら、昔の淫本からわざわざかきぬいたものの由。昔のそんなものどんなものかよみたく、よんだ。
六月二十八日(火曜)
Y、フキゲンなり、
散歩、ふみ子洗髪のまま出た。田舎の子、「狐の姐さん、ばけ姐さん」と云った。
六月二十九日(水曜)今日八十六度 今年始めての暑さ。
朝起きぬけに関さん来。いろいろ話すうち、自分、関さん浮気の出来ぬ心理的理由について話し、話すうちに自分興味を感じ、いつか書きたいと思った。