轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
うんせききこう
柳宗悦 民藝紀行
柳 宗悦
柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页
野州の石屋根
浜田が益子にいるので、年々幾度か東京との間を往復し、栃木県には親しみが出来た。それに一時は半井知事がおられたので、県下を旅する機会が更にふえた。
宇都宮から益子に、また鹿沼や日光に行くごとに度々私の心を惹いた建物を見た。長屋門の美しさもその一つだが、私にはことのほかその地方の民家で用いる石屋根が美しく想えた。これだけ形が確で、しかも美しい屋根を他で見たことがない。茅葺には様々な美しいのがあるし、瓦葺でも石州の窯場の赤屋根の如きは忘れられぬものではあるが、形の立派さではこの石屋根に比肩するものは他にあるまい。支那の強ささえ聯想される。
大体石屋根は日本で極めて珍らしく、越前や紀伊に多少あると聞いたが、それは皆普通の屋根瓦を摸した形である。ところが栃木県下のは全く石という材料から生れた形であって、それだけ必然さがあり、石の持味がよく活かされている。石だから重みや幅さや厚みや大きさが整い、見て甚だ立派である。
私は家を建てるなら、その石屋根を用いたいという夢さえ抱いた。栃木県を旅する毎に私は益々この特色ある屋根に心を惹かれた。ところが求める者には与えられるのか、私が新に駒場に居を決める直ぐ前に、予々日光街道で眼に入っていた一軒の石屋根長屋門が売りに出た。