轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

りょうきのはて

猟奇の果

江戸川 乱歩

前篇 猟奇の果、後篇 白蝙蝠「文藝倶楽部」博文館、1930(昭和5)年1月~12月<br>「猟奇の果」もうひとつの結末「猟奇の果」日正書房、1946(昭和21)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 134,971 字 · 270 页

青空文庫

強いて云うならば、廃頽安来節と、木馬館と、木馬館及水族館の二階の両イカモノと、公園の浮浪者群と、そしてこのストリート・ボーイ達とが、僅かに浅草の奇怪なる魅力の名残りをとどめているのだ、そういうものの醸し出す空気が、やっと二月に一度位の程度で、彼の足を浅草へ向けさせた。

青年はじっと、愛之助を見つめていた。紺がかった春服を着て、同じ色の学帽の様な一種の鳥打帽子の、深いひさしの下から、闇の中に柔軟な線の、ほの白い顔が浮上っていた。美しい若者だ。

愛之助は決してペデラストではないので、嬉しくもなかったが、併し、別に不快を覚える程でもなかった。

「蛇の様に冬眠が出来るといいなあ」

突然、すぐ側でそんなかぼそい声が聞えたので、見ると、目の前のベンチに若い栄養不良な自由労働者がいて、隣りの少し年取った同じ様な乞食みたいな男に、話しかけていたのだった。

「冬眠て何だよ」無学な年長者が力のない声で尋ねた。

「冬中、地の底で、何にも食わないで眠っていられるんだ」

「何にも食わないでかね」

「ウン、蛇の身体は、そんな風に出来ているんだ」

そして、二人とも黙ってしまった。静かな池の中へポチャンと小石を抛り込んだ様な会話だ。