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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

「時事新報」1934(昭和9)年8月25日~1935(昭和10)年3月16日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,520 字 · 475 页

青空文庫

の白拍子や遊君を三人がところ引きつけて、

「太液の芙容新たに水を出づ……という文句を知っているかな? ナニ知らぬ、無学の奴らじゃ! 白くて柔らくて艶があって、白芙容の花のように見える肌、そちたちの肌は白芙容じゃ、それが水のように透けている褊、それ一枚につつまれている。……そこでそれ太液の芙容新たに水を出づさ。アッハハ、わかったかな」

と、結構な説明をやっているのは、洞院左衛門督実世であった。

聖護院庁の法眼玄基と、伊達三位房游雅とは、『鬼火の姥』と呼ばれているところの、不思議な女修験者のことで、ひそひそ話を交わせていた。

「八百年生きているということで」

「百八十年だということでござる」

「一見すると六十歳ぐらいじゃ」

「髪の毛が卯の花のように真っ白でござるな」

「加持祈祷がうまいそうじゃな」

「七尺もあろうかと思われるような身長の、しかも糸のように痩せている体で、あの道の方は凄いということで」

「美童を好むということじゃな」

「われらが美女を好むようにな」

「お互いあの道の方は凄うござるて」

「眷族にも変なやつが多いそうじゃ」

「山伏、修験者、巫女、官主、こういう手合いが従っているそうじゃ」