轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
「時事新報」1934(昭和9)年8月25日~1935(昭和10)年3月16日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,520 字 · 475 页
「頬げた張り曲げろ、叩き殺せ!」
群集は怒って騒ぎ出した。
しかしその時にはその山伏は――それは金地院範覚であったが、もう姿をくらませていた。
芋ヶ瀬の郷の辻に立った、同じ種類の立て札の前でも、群集がたかって騒いでいた。
その中に雑って煽動しているのは、巫女姿の鬼火の姥であった。
「悪くないぞよ、悪くないぞよ、平民から一足とびに大名になれ、一文なしから大金持ちになれるのじゃ。……まだまだ世の中は武家の天下じゃ! 武家方に忠義をつくすがよいぞよ!」
群集が怒って喚き出した頃には、姥の姿は見えなくなっていた。
中津川の郷の四辻にも、同じような立て札が立っていて、黒木売りや干魚売りや、武士や農夫や、炭焼きが多勢その前に集まって、罵り騒ぎ批評していた。
顔を布で包んだ上に、塗り笠でさらに顔をかくした武士が、煽動的に喋舌っていた。
「断行! な、こいつが大事だ! 思い切った出世をしようと思ったら、思い切った仕事をやらなければ嘘だ! ……な、よいか、わかったか!」
しかし群集は怒鳴り出した。
「とんでもねえサムライだ、ぶち殺せ!」
「勿体ない奴だ、生かして帰すな!」