轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
「時事新報」1934(昭和9)年8月25日~1935(昭和10)年3月16日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,520 字 · 475 页
呼ばれて眼をさまし立ち上がり、側の金剛杖をひっさげると、ノッソリとばかり立ち現われた。
「眠い、疲労じゃ、昨夜のつかれじゃ。……姥のせめ方ははげしいからのう。……ようこれは飛天夜叉殿か。……桂子殿おいでと知ったなら、お伽かたがた出て来たものを」
社殿の方へ好色らしい、いやらしい眼付きを流してやった。
年は二十六、七であろうか、厭らしいところはあったけれど、たしかに美貌の山伏であった。
気になるのは唇が貝の蓋のように薄く、茱萸のように赤いこと、焚火に照らされておりながら、その顔色が蒼味を持って白く、気味悪いほどだということである。
これらの特色はその性質が、残忍であり酷薄であり、好色である証拠であった。
鬼火の姥の手下であり、かつ情慾の相手なのであった。
焚火の側へノッソリと佇み、眼はなお桂子へ注いだままで、
「恋の相手が鬼火の姥でなくて、飛天夜叉殿であろうものなら……何んだ畜生! 薄っ気味の悪い!」
金剛杖に搦みつき、ウネウネと蛇が上がって来たのを、一振り振って大地へ叩きつけた。
「鬼火の姥と来たひには、肌といえば苔の生えた枯れ木じゃ。コツコツしていて水気がなく、カサカサしていて粘り気がない。