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ふしぎくにたんけん
ふしぎ国探検
海野 十三
「ラジオ仲よしクラブ」1947(昭和22)年9月号~1948(昭和23)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,118 字 · 120 页
これは水の屈折率が硝子の屈折率とほとんど同じだから、光は硝子板をまっすぐに通りすぎる。そこで硝子板の形が見えにくくなるのだ。……もし硝子板をこなごなにこわした上で、水の中に入れてみる。するとその硝子の粉は、ほとんど完全に見えなくなる。これが偉大なるヒントだ。だからもし人間のからだの屈折率を、空気と同じにすることができればいいんだ。そして同時に、光を反射もしないし吸収もしないようにする。ああ、すばらしい思いつきではないか。そしてぼくは遂にその偉大なる仕事をやりとげたのだ。ごらんの通りだ。
ここにあるぼくの身体が見えるかい。硝子板は見えるが、ぼくの身体は、どう透してみようが決して見えないのだ。ぼくの身体をこしらえている細胞は、或る方法によって変えられ、空気の中では全く見えなくなっているのだ。しかし細胞を変えるときには前後十時間、死ぬような苦しみをした。説明もなにもできないような苦しみを……」
ごとごとごとと、ビーカーの中の湯が沸騰をはじめた。
「ぼくは、さっきもいったように、第一番に一本の紐を見えないものにした。その次、第二番目には、動物にそれをためして見た。