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ふしぎくにたんけん
ふしぎ国探検
海野 十三
「ラジオ仲よしクラブ」1947(昭和22)年9月号~1948(昭和23)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,118 字 · 120 页
「窓の網戸をてっぱいさせるんだ。われわれの交通を妨害することはなはだしいからね」
「これから、われわれの仲間を一匹たりとも殺した人間は死刑に処する」
「死刑だけでは手ぬるい。死刑にした人間の死体を、われわれ蠅族だけで喰いつくすんだ。それゆけ」
驚きの曲が鳴りだす。そして……
「アナウンスいたします。このところ一千年たちました」
「はっはっはっはっ」
「うわッは、はッはッ」
「ほほほほ。ほほほほ」
「ははは、愉快だ。もう満腹だ。のめや、うたえや。われらの春だ」
「愉快、愉快。人類も滅亡したし、ライオンも虎も、牛も馬も羊も犬も、みんな死に絶えた。みんな原子弾の影響だ。そしてわれわれ蠅族だけが生き残り、そして今やこの地球全土はわれわれの安全なる住居となった。ラランララ、ラランララ」
「うわーイ。ラランララ、ラランララ。ひゅーッ」
「わが蠅族の地球だ。世界だ。はっはっはっはっ。人間なんかもう一人もいやしない」
終幕の音楽。
「アナウンサーです。劇『原子弾戦争の果』は終りました」
「どうでしたか、東助君、ヒトミさん。蠅のテレビ劇はおもしろかったですか」
ポーデル博士がたずねた。
東助とヒトミは、それにすぐ答えることができなかった。