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ふしぎくにたんけん

ふしぎ国探検

海野 十三

「ラジオ仲よしクラブ」1947(昭和22)年9月号~1948(昭和23)年7月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,118 字 · 120 页

青空文庫

……ここはどこだろうか)

と、東助はあたりを見まわした。

それは、大きな球の中を部屋にしたようであった。壁がまっすぐではなく、凹んで曲っていた。まん中に、横に長い机がおいてあり、腰掛もある。東助は、その腰掛にお尻をのせ、机に向ってほほづえをついている。

正面に窓口みたいなところがあって、それに紺色の小さい幕がたれている。

その幕の間から、白い手がでてきた。

と、湯気のたっているココアのコップと、パイナップルの缶詰とがあらわれた。白い手は幕の中に引っこんだ。

すると横手の戸があいて、ウェイトレスがでてきた。見るとそれはヒトミによく似ていた。しかしずっと年は上で、大人に近かった。

ヒトミにちがいないのだが。……

「お待ちどうさま、三等機関士さん。どっちも上等の品ですよ。ほっぺたが落ちないように。……ほほほほ」

そういいながら、ココアとパイナップルの缶詰を、東助の前においた。

(えへへ、おれのことを三等機関士なんていったぞ)

「今日は、食堂はひまなんだね」

東助は、すらすらと、そういった。口がひとりで、ぺらぺらと動きだしたのである。ふしぎなこともあればあるものだ。