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ちきゅうはっきょうじけん

地球発狂事件

海野 十三

「協力新聞」1945(昭和20)年9月1日~1946(昭和21)年(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,306 字 · 173 页

青空文庫

高等生物団

記者たちは、経験と勘と、そして自動車と飛行機と電波と金とを利器として、四方八方に活動を開始した。

こんなことがどの通信社にも新聞社にも起った。正にヘルナー山頂に坐礁したゼムリヤ号事件以来の特種であった。いや、ゼムリヤ号事件から続いて起った事件だから、通信従事者の昂奮もまたすばらしく大きかったのである。

高等生物団

第一報発表以後のわずか十八時間に、各社の第一線記者は悉くへたばってしまった。あらゆる探索は失敗に帰し、何の収穫も手に入らなかったのである。

アイスランドは勿論のこと、大西洋全域から、各国の重要都市が一つ残らず探索されたけれど、どこにもワーナー博士一行の新しい消息も見当らず、聞き当らなかった。第一報の電波発信者も分らず、この電波を発射した位置も分らなかった。そして今にも入るかと思った第二報はいつまで経っても音沙汰がなかった。

このような失望と困憊のあとに、突然として待望久しき第二報が、WGY局から放送されたのだった。

無線探知器の前に頑張っていた無線班の連中は大失望した。第二報がWGY局放送局より放送される前に、何処からかWGY局へ第二報の原稿を電波で送る者がある筈で、それを捕えようと待構えていたのだ。