轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちきゅうはっきょうじけん

地球発狂事件

海野 十三

「協力新聞」1945(昭和20)年9月1日~1946(昭和21)年(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,306 字 · 173 页

青空文庫

ひどい震動が乗組員たちの足許から匐いあがってきて脳裡にまで響いた。サンキス号は今や最高速力をあげ、第二の怪事件の起こった現場から死物狂いで脱出しつつあるのだ。

三人の新聞記者たちも、それぞれの形態でこのすさまじい戦慄の空気の中に息を停めていた。ドレゴは水戸にすがりついて震えていたし、水戸は水戸で火の消えた煙草をしきりに吸いつつ硝子戸越しに泡立つ海面へ空虚な目を停めていた。ホーテンスは拳をこしらえて彼の頸のうしろをとんとんと忙しく叩きながら、わけも分からぬ言葉を繰返していた。誰も気が変になったように見え、或いは生ける屍のようにも見えた。

白髪赭顔のワーナー博士は、愛用のパイプから紫煙をゆるやかにくゆらせていた。博士は、ちょっと首を左右にふり向けて室内を見渡した。この部屋にいる者の顔色を打診したのであろう。博士の表情が少し硬くなった。彼はパイプを握った方の手をあげて、部下達の方へふり向いた。

「われわれはもう危機を脱した。心配することはない。あと五分で、みんな配置から解放される。――記録だけは大切に保管して置くのだよ」

博士のこの言葉に、期せずして一同の口から大きな溜息がとび出した。