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だいうちゅうえんせいたい
大宇宙遠征隊
海野 十三
「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页
噴行艇は征く
噴行艇は征く
黒いインキをとかしたようなまっくらがりの宇宙を、今おびただしい噴行艇の群が、とんでいる。
「噴行艇だ!」
噴行艇といっても、なんのことか、わからない人もあるであろう。噴行艇は、ロケットとも呼ばれていた時代があった。飛行機は、空をとぶことができるが、空気のないところではとべない。しかし噴行艇は、空気のないところでも、よくとべるのだ。艇尾へむけ、八本の噴管から、或る瓦斯を、はげしく噴きだすと、そのいきおいで、艇は前方にすすむのである。艇尾には、舵があって、これをうごかすと、とびゆく方向は、どうでもかわるのであった。大宇宙をとぶには、飛行機ではとてもだめであるが、この噴行艇なら、瓦斯のつづくかぎり、大宇宙をとぶことができる。
飛行機時代から、次にこの噴行艇時代にうつっていった。
それとともに、人間の目は、地球からはなれ、さらに遠い大宇宙へむけられたのであった。
今、おびただしい噴行艇の群も、大宇宙をとんでいく。
砲弾を大きくして、尾部に――噴管をつけ、そして大きな翼をうしろの方まで、ずっとのばすと、それはそっくり噴行艇の形になる。
銀白色のうつくしい姿の噴行艇だった。