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だいうちゅうえんせいたい

大宇宙遠征隊

海野 十三

「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页

青空文庫

ちょうど、帝国海軍の水兵さんと同じようであった。これはできるだけ敏捷に身体をうごかす訓練のためと、もう一つは運動不足にならないためであった。すこしぐらい気持のわるい日でも、号令をかけられて、艇内をあっちへこっちへ、二三度かけまわると、妙に元気をとりもどす。

艇長室の前には、一人の少年が立って、風間の来るのを待っていた。それは、木曾九万一という、またの名、クマちゃんでとおっている、身体の大きな腕ぷしのつよい少年であった。

風間三郎と、このクマちゃんこと、木曾九万一とは、大の仲よしであった。そこへかけてきた風間少年を見て、木曾は、にんまりと笑ったが、すぐまたもとのいかめしい顔になって、姿勢を正した。

その間に風間が、気をつけをして立った。

「艇長室附の艇夫交替」

と、クマちゃんが叫んだ。

「艇長室附の艇夫交替」

と、風間三郎が、反復していった。

「艇長室に於て、辻艇長は睡眠中、コーヒー沸しは、もうすぐにぶくぶくやるだろう。ゴム風船地球儀は、目下印度洋の附近を書いていられる。艇長九時になっても起きないときは、オルゴールを鳴らして起せ。その外、引きつぐべきこと、および異状なし。