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だいうちゅうえんせいたい

大宇宙遠征隊

海野 十三

「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页

青空文庫

当直の報告

当直の報告

「艇長。そのめずらしいものとは、一たいどんなものですか。早くおしえてください。ぼく、早くききたくてしようがないなあ」

風間三郎は、すこし鼻にかかったこえで、艇長にねだった。

「はははは。それをききたいのか。まあ、今話をしてしまっちゃ、あとでおもしろくない。いずれ、そのうちに、みんなさわぎだすだろうから、まあ、それまでまっていたがよい」

艇長は、卓子の前へきて、椅子に腰をかけた。

「艇夫。それよりも、コーヒーだ」

「コーヒーは、今、やりなおしています。重力装置の故障のとき、すっかりこぼれてしまったんです」

「そうか。それはもったいないことをした」

「艇長。コーヒーがわくあいだに、話をしてくださってもいいでしょう」

「はははは。お前はなかなか、うまいことをいって、ききだそうとする。しかし、だめだよ。コーヒーがわくあいだに、わしは地球儀をかくことにしよう。たしか、印度洋のへんまで、かいたおぼえがある」

そういって艇長は、ゴム風船の入った箱を、卓子のうえへもってきて、片手に絵筆をにぎつた。それから艇長の手が、器用にうごきはじめる。

そうなっては、もうしかたがない。