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だいうちゅうえんせいたい

大宇宙遠征隊

海野 十三

「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页

青空文庫

ふしぎな味噌汁

「ばかなことをいうな。こっちから、さいそくをする――それではおかしいよ」

「遠慮するようながらでもあるまいに、あははは」

「あははは。とにかくいって来よう」

艇夫の一人は出ていった。

あとで仲間の艇夫たちは、顔を見合わせ、

「ああはいったが、すこしは里心がついているのじゃないかな。つまり、この噴行艇がこんど地球に戻るのは十五年後だから、昨夜生れたあの男の子供が、十五六歳にならなきゃ、わが児の手が握れないんだからなあ」

「うむ、まあ、そうだ。だが、そんな話はよそうや。こっちまでが、里心がつくからな」

十五年後だと、艇夫たちが話をしているところをみると、この噴行艇は、これからずいぶん長い行程をとびつづけるものらしい。

ふしぎな味噌汁

「どうだ、三郎。噴行艇に乗って、一ヶ月たったが、すこしは、気がおちついたか」

一人の艇夫が、煙草をくわえて、三郎の横に、腰をおろした。それは、三郎と同郷の、神戸生れの艇夫で、鳥原彦吉という男であった。彼は、やさしい男で、そして艇夫には似あわぬものしりだった。三郎は、彼を、ほんとうの兄のように思っていた。

「ええ、だいぶん、なれましたよ」