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だいうちゅうえんせいたい

大宇宙遠征隊

海野 十三

「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页

青空文庫

地球全体の放射物質を一個所にあつめてみても、大したことはない。せめてその百倍あれば、その新動力発生法は、小さいながらも成功するのであった。

そこで世界中の学者たちは、この折角の新動力発生法も、人間の力ではできない相談であるとしてあきらめてしまったが、只ここにひとり日本の若い学者で、緑川博士という人だけはあきらめなかった。博士は考えた。地球にある放射物質だけをあつめたのでは少くてだめであるが、思いきって地球以外の他の場所から持ってくる工夫をすればいいではないか。

この考えは、すばらしい思いつきだった。科学者のすばらしい夢だった。なるほど、それはおもしろい考えである。

博士は数年前から知られている超放射元素ムビウムに目をつけた。このムビウムは、一名きを変にする元素ともいわれる。それは各国の学者が、このムビウムを発見したハンガリーの天文学者ムービー氏のことを気が変だといい、そのために、そういうへんな名がついたのだった。

ムービー氏の発見の話をするとおもしろいのだが、長くなるから、かんたんにいうが、ムービー氏は元来素人天文学者であり、いつも星の光を研究していたが、ちょうど今から六年前、地球から十万光年の遠方にある名もしれない星を発見した。