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だいうちゅうえんせいたい

大宇宙遠征隊

海野 十三

「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页

青空文庫

火星のニュース

なにしろ、ここから何億キロメートルの何億倍というほどの、はるかの天空を走っているムーア彗星から、どうしてムビウムを採ることができようか。

そこで緑川博士は、中将との相談にでかけていったが、あまりいい話が出るとは思っていなかった。

ところが、大竹中将は、みごとに博士を、よろこびのために、その場におどりあがらせたのだった。その模様をいうと、

「そういう獲物をにがすということはないよ」

と、大竹中将は、大きな拳で卓子のうえをとんと叩いて、

「つまり、われわれに覚悟さえあればいいんだ、国家のために生命をなげだすという覚悟のことだ。わかるかね。よろしい。わしは同志をつのるよ。そして必要な人員をあつめる。そして噴行艇の大部隊をつくって大宇宙遠征をやろうではないか」

「え、どうして、そんなことが……。また、噴行艇でとびだして、なにをするのですか」

と、そのときは緑川博士は、中将の考えがよくわからなかったので、といかえした。

火星のニュース

「なにをするって、君、わかっているじゃないか。つまりムーア彗星のところまでとんでいって、その超放射元素ムビウムとやらを採ってくるのさ」